パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)が20日、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、イスラム組織ハマスの幹部3人に戦争犯罪などの容疑で逮捕状を請求した。ガザでの戦闘が続く中、どのような意味を持ち、今後手続きはどのように進むのか。
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2002年に設立されたICCは、国と国の紛争を扱う国際司法裁判所(ICJ)と異なり、重大な罪を犯した個人を処罰する。ICCで裁く犯罪の対象は、戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害)、人道に対する犯罪などだ。
ICCは検察部門を併せ持つ。手続きとしては検察局が捜査をし、犯罪の疑いがあれば逮捕状を請求する。その後、予審裁判部が審理して逮捕状を発行するかどうかの判断をする。逮捕後は、予審部の裁判官が起訴するに足りると判断すれば第一審の裁判部に事件が送付されて裁判が始まる。
ICCには日本を含む124の国・地域(24年2月時点)が加盟している。パレスチナは15年に加盟した。米国やイスラエル、ロシア、中国は加盟していない。
記事の後半では、かつてICCの裁判官を務めた尾崎久仁子・中央大特任教授が今回の逮捕状請求をどのように受け止めたのか、紹介します。
逮捕状が出た人物は、加盟国…